カテゴリ: ARDF

今年の初めから作り始めたARDFの受信機ですが、ようやく大会に出るところまできました。これまでを振り返ると以下のようにかなり苦戦しています

1月:これまで自分が設計してイベント頒布していた短波ラジオ用DSPを使用したFT8トランシーバーを改良して145MHzの試作1号機と短縮2エレアンテナ設計を開始。

2月:電子コンパスの素子評価、試作と実験。電界強度から距離計算機能など実験

3月末:秋ヶ瀬公園での練習会で試作1号を試す。しかし、ここで初めてA2波が断続波ということを初めて知り、DSP+Sメーターでの方向検出方式が全く使い物にならないことが分かる。また、中華製の3エレで聴かせてもらいビームがはっきり出るので短縮2エレからフルサイズ3エレに設計変更。

4月:DSPを諦めてAGCなしの受信機を新たに設計。回路を共通化して144MHzに加えて3.5MHzバージョンも試作。3.5MHzのループアンテナの試作実験では受信機のマイコンノイズを拾うことと位相合成特性が上手く出ず苦戦する

4月末:群馬県牛伏の練習会にて3.5MHzは発振トラブル発生。改良と同時にノイズ対策でファラデーシールド付ループに作り変える。144MHzの試作2号は、練習会で全探できたのでそのまま大会へ


以下、5/9~10に群馬県太田市で開催されたデビュー戦のメモです。

<初日> 3.5MHz クラシック部門

★成績:4個中3個発見できM60部門で6人中4位でした。最後に南のはずれにある2番が残りましたが方向探知で位置は正確に取れており距離も分かったのですが、往復のコースを残り時間では戻れないことが分かり断念しました。

★自作無線機は感度もよく、カージオイド特性の切れ込みは甘いので方向はサイドの切れ込みを利用、前後はどこでも確実に判別してくれたので十分使えました。

★電子コンパス(秋月の9軸センサーとマイコンで製作)は便利でどこでも素早くTX方向を判別してくれました。

・ペンと分度器を胸ポケットに入れる予定でポケット付きのポロシャツを用意していたのですが、ゼッケンでポケットが隠れることが発覚。いきなりピンチに(紐をつけて首からぶら下げた)

・スタートの前に地図が配布されるのですが、考えていた地図の固定方法が横長の地図だったのですが、配布されたものは、見事に縦型。しかも強風で、飛ばされそう(笑)

・全く体力がないのでいきなり山の上りでバテる。以降歩きに。。。

・最初ということもあり、地図上で自分の位置がわからなくなったり、TXの方向を間違えて記入したりと大慌て。また、近道があったのに見落としてとんでもない回り道をすることになったり(笑)

(自作受信機。ループ下部に電子コンパスを搭載)
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まわったルート(黒丸の番号は1km毎のマーク。黄色のTXのところが発見したもの。灰色のTXは時間切れで行けなかったところ)

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<2日目> 145MHz クラシック部門

★成績:前日と同じ、4個中3個発見。M60部門で6人中4位でした。前日歩いたところなので地図の細い近道を探す余裕もありました。最後に西側の山の上にある2番が残りましたが、反射波などでうまく方向がつかめず苦戦しました。5番のあとの探知で山の上にあることが分かり十分回る時間はあったのですが、膝が痛く前日の急斜面を思い出すと登ることは諦めてゴールへ向かってしまいました(笑)。

★自作無線機は高感度で3エレアンテナの指向性も十分でした。しかし、3.5MHzと共通回路のCW受信機で狭帯域の水晶フィルターが入っていることからA2波を受信するとTX毎に周波数がずれており、周波数を数百ヘルツずらさないと復調できないことがありました(慣れると問題ありませんが)。しかし、145MHzは難しいですね。反射波などが多く正確な方向がつかめないことがよくありました。また、自作した電子コンパスは安定していてここでも役立ちました。

(145MHz自作受信機。手前の青色ケースが受信機、先の赤色ケースが電子コンパス)
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まわったルート(黒丸の番号は1km毎のマーク。黄色のTXのところが発見したもの。灰色のTXは最後の登りのパワーがなく諦めたところ)
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<デビュー戦のまとめ>
●全探はできませんでしたが、3.5MHzと145MHzの両試作機の性能がARDFで十分使えることが確認できました。

●今回の受信機設計で一番心配だったのが、3Dプリンターで製作したちゃっちいケースが使えるのかということでした。製品をみるとどの機種も金属製の完璧なシールドケースなのでTX近くで使い物にならないのではと思いましたが問題なく大きな成果です。併せて3.3Vで動作する回路で設計し、充電式リチウム電池を組み合わせることで大幅な軽量化が図れています。

●膝が悪く、今年になって犬の散歩や自宅でも転ぶことがよくあったので、いきなりの山歩きで注意してゆっくり歩きました。転ばなくてよかったー


<さいごに>
天気も良く、怪我もなかったのですごく楽しめました。大会運営の皆様、参加者の皆様大変ありがとうございました。

次は新潟の大会に3.5MHzだけ出る予定にしていますのでよろしくお願いします(翌日は、埼玉で電波文化祭に出展するので日帰り)。

前回の練習会のときに不便だったことを思い出して、少しでも改善しようと試みました。
いろいろ面倒なこともありますが、工夫できるポイントが多いので楽しめますね


(1)手が足りない問題
オリエンテーリングでは地図とコンパスくらいで済むのですが、受信機、アンテナが加わると持ち物が多すぎます。おまけに地図に方向を書き込むとなるとマジックや定規なども。。。それぞれのもののポジションも決まらないので複雑なオペレーションになります。

それこそ猫の手でも借りたいと思い作ったのが「猫の手フック」です。地図に方角を記入するときに受信機、アンテナをベルトにかけておくためのフックです。これで両手が使えます。デザインも猫の手(笑)

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144MHzの3エレも引っ掛けれるように改造して使えるようになりました
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(2)電子コンパスに90度補正を追加
3.5MHzで自宅周辺で受信テストを何度かしてみましたが、カージオイドのヌル点が分かりにくいことが多いです。送信アンテナとロケーションにもよると思うのですが、基本は、ループの磁界成分と垂直ロッドの電界成分の強さが一致しないと切れ込まないので、調整時にあわせていても位置がずれたり障害物、アンテナの高さでバランスが崩れたときに分からなくなります。

もちろん前後はそういうときにでも判別は付くのですが、正確な方向角が求めたいところです。実験ではそういうときでもループのサイドは結構切れているのでサイドの切れ込み部分から方向角を数値で読み取れれば便利かと思い、90度補正を追加してみました。暗算で簡単に求まるのですが(笑)

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(3)イヤホンのワイヤレス化
競技では、ペアリングできるBluetoothのワイヤレスイヤホンの使用が認められているので、アダプターを購入して試してみました。遅延が気になるというコメントもありますが、SGで電界強度を変更してみたところそんなに違和感はないので自分としては線が邪魔になるよりよいかなと。

ただ、3.5MHzに実装してみたところ、アダプターからノイズが出ているようで結構なレベルで拾ってしまいます。145MHzでは問題はないのですがBluetoothのイヤホンも慣れないせいか違和感があるので今回はこれまでのワイヤー式でいくことにしました。

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(4)マジックや定規の収納について
マジックは、練習会のときにノック式のものがあることを知ったので早速購入しました。これでいちいち蓋を外す手間が省けます。

また、紛失防止で紐をつけて首にかけるということをやられている方がおられましたが、首からぶらぶらしているのも気になるのでベルトににつけるスマホホルダーを購入して、マジックなどそこから紐をつけた後で収納できるようにしました。




前に参加したARDFの練習会では紙の地図で直接マジックで方向線を書いていたのですが、下図のようにあまりにも汚くて地図そのものも見えなくなってしまい改善する必要があると思いました。

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他の方はどうだろうとARDFのサイトにある過去の競技会で使った地図などを見るのですが、自分よりはかなり見やすくなっているものの少しみにくいなと感じました。

自分の受信システムは電子コンパスが搭載されているので、角度情報が数字で直読できます。そこで角度を地図に簡単に落とし込める小さい円形の分度器のようなものがあればよいのですが、市販の分度器や円形角度定規ではサイズが大きすぎてマークが自分の位置から遠いところについてしまい見にくくなってしまいます。

そこで小さい分度器で自分の位置と方位角を近いところでマークできる定規を考えて作ってみました。試作ですが、こんな感じです。これで円の中心部(自分の位置)と360度の方位角を小さくマークできます。実際は、百均のコンパスも載せてみました。

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★使い方(地図の北側が磁北か真北かの確認は事前に必要です)

(1)方向測定した自分の位置を地図上で確認して定規の中心(▲部分)に合わせます

(2)受信したTX①~⑤の方位を地図上で>印と番号で記載→下の写真では、①②③を記載しています。(線を引いてしまうと地図が見にくくなるのでここでは線を引かずに>印のプロットのみ)

(3)もう一か所で同様に測定して線を引いて交点を示す

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★注意:まだ、競技にでたことがないので、どの程度使えるか分かりません。

STLデータを以下に保存していますので3Dプリンターをお持ちの方はよろしければ使ってみてレポート頂けないでしょうか?

http://becl.g2.xrea.com/3D_stl/ARDFscale.stl

先の牛伏山の練習会でも使用した3.5MHz版の製作についてです。

●系統図
前に記載した144MHz版とIF以降は全く同じ系統です。11MHz帯で水晶フィルターを使用したシングルスーパーです。ループアンテナをハイインピーダンスで受けるため差動入力のRFアンプとミキサーを使用しています。本来、ミキサーはSA612などを使用するのですが、現在は入手難となっており代替も見つからないのでここではダイオードDBMを使用しています。

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基板はこんな感じですが今回の基板はどうも変です。とにかく基板内の信号が回り込んでいろんな回路がすぐ発振する不具合に。。。144MHzの基板では動作していたIFアンプのBGA420もまともに動作しません。写真のように蛇の目基板でBGA420を取り付けるとこれまでの不具合が嘘の様に治ります。
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この状態で直径22cmのループアンテナを取り付けたものが練習会で使用したバージョンとなります。

ループアンテナは、百均の洗濯干しを使用しました(笑)
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この円形に10回ほど線を巻いて30pF程度で3.5MHzに同調できました。
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ケースは、3Dプリンターで製作して発振器で試行性をみたところカージオイド特性も出ることが確認できました。
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牛伏山の練習会の使用結果は、ループで方向は特定でき前後もある程度わかったのですが、近くまでいったものの最後の10m程度が追い込めませんでした。そして、始まって30分くらいでRFアンプも発振状態になったことで、残念ながら5か所のTXのうち1つのみしかみつけることができませんでした。

●改良版
(1)RFアンプ
電源ON直後は調子がよいので回路は問題はないと思うのですが、変なノイズが増加して最後は感度が大きく低下します。そこで同じ回路で基板を分けて空中配線で製作してみました。動作は、安定して数時間動作させても問題はないようです。

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(2)ループアンテナのファラデーシールド
この受信機はループアンテナの磁界成分(前後で位相が反転)と垂直ロッド部の電界成分の合成で指向性を出します。そのためループアンテナ部は電界成分が少なくなるようファラデーシールドにすることで効果が見込まれます。外形6mmの10芯のシールドケーブルすることでループ部を製作してみました。同じ直径ですが、前回は10巻きで良かったものが、内部の静電容量が増加したことで6回巻きくらいで共振することが分かりました。あわせて3Dプリンターでケース含めて作り直しました。
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感度は低いものの前後比の性能は向上したようです。ただ、垂直部とループ部の感度差が大きくなると効果がでなくなるので、いろんな状態で調整が必要なようです。

また、前に作った電子コンパスも実装しました。これで来週末に試してみたいと思います
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4/25~26 群馬県のARDF練習会に参加させて頂きました。当初は日帰りで145MHzのみ参加予定でしたが、前日に急遽3.5MHzを突貫製作して調整もしない状態でしたがJJ1RUXさんの車で牛伏ドリームセンターへ。

<1日め。3.5MHzクラシック>
大会の様に5台の送信機を探して時間記録するという説明があり、指に記録器具をつけてよくわからないままスタート。初心者ということで2つ見つければOKということでした。

試作の受信機はこんな感じです。使われているアンテナはファラデーシールドをしているようですが、自宅で実験していたときにQが低く感度があがらなかったため、10回巻きループに垂直アンテナをつけています。感度は高く、この状態で夜は80mバンドのアマチュア局がよく聴こえました。また、前後比もカージオイドが若干でるようで使えそうでした。

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実際に使ってみたところ、スタート地点で問題なく5か所の送信機が聴こえ、方向も分かります。しかし、地図に記録して、信号がすごく強くなるところまで行くのですが、そこから発見できませんでした。 ...というのは、前に参加した秋ヶ瀬公園での練習会は、アンテナが見えるところに設置してあったため、今回も同じだろうと歩きながら信号が強くなる道を歩きながら目視でアンテナを探していたのでした。

そのうちに一か所なんとか発見、そこでアンテナは隠してあるものとわかりましたが、そのころから受信機が発振しだしたので方向探知が難しくなりリタイアとなりました。それでも1か所発見できたのでよかったです。あとで皆さんから送信機の場所を聴いて近くまで行ってたのにと悔しい思いをしました。アンテナ調整と受信機の発振対策をしっかりしないとダメですね


<2日め。145MHzクラシック>
2日目は、試作2号でトライしました。試作2号はAGCなし、RFとAFゲインコントロールがあるだけのシンプル受信機です。

TXは5台ですが今回はタイムは関係ないこともあり、設置場所なども観たかったので2時間に拘らずじっくり探してみることにしました。アンテナは、3エレ。受信機と電子コンパスを持ち方とかも考えずにとりあえずブームに固定した感じのものです。

実際に使ってみると受信機の感度もよく、3エレということで方向もよく分り、FB比もかなりとれているようでした。ただ、3.5MHzと回路をかなりの部分を共通化していることで、A2波に対してCW受信機としての動作となります。TXによっては周波数が少しずれていてIDを復調するのに周波数調整が必要なこともありましたが、大きな問題にはなりませんでした。
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TXのアンテナはターンスタイルですが、近くから目視でも発見が難しかったです。下の写真の前方にアンテナがあるのですが、わかりますでしょうか?
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前日歩いたエリアということで、地図をみるとどこにいるかは分かるようになりました。しかし、ビームアンテナで方向がよく分るということで、その方向を信じて歩いて行ったところ、反射波で別の道を進んでしまってロスしたり、非効率なルートでまわってしまいました。それでも2時間半くらいで全部発見できたので自分としては上出来と思っています。

このシステムはアンテナの重さが心配でしたが、あまり気にならず使えました。ただ、持つところが角ばっているので手が痛いことがあったので実装含めて検討したいと思います。

また、電子コンパスは角度が数値ででるので非常に便利に使えましたが、小型軽量化のため受信機に実装して一体化したいところです。

TX1~5の位置と自分のルート(赤線)は下図のとおり。地図中の黒丸数字はTX位置とは関係ありません。

TX4をみつけたあとでTX3に行けばよいものをTX1にいってしまい、また、TX3に戻る。しかも、間が丘になっているので大回りとなった。その後、TX5→TX2を見つけた後に戻るという非効率なルートになっていました。間に丘あり谷ありで探索は難しかったです
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<最後に>
フィールドで自作装置の評価が予定通りでき、次のアクションも明確になりました。練習会ですが、準備、当日の設置など本当に大変と思います。関係者の皆様に御礼を申し上げます

また、宿泊して食事やお風呂でみなさんといろいろな話をして、部活の合宿みたいで楽しい時間を過ごすことができました。

2日連続の練習会は、運動不足の私にとってかなりきつかったのですが、運動のモチベーションもできたので大会めざして少しはトレーニングしようと思っています(笑)





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