カテゴリ: 送信機、受信機製作

1.はじめに
SOTAで使えるFT8の小型軽量ポケトラを作ってみようと、昨年から考えています。ネットをみていたらシンプルなPSN(Phase Shift Network)回路がありました。うまく使えればかなり簡単なトランシーバーで作れることになります。

この回路では簡易型なので、ある1点の周波数のみ90度の位相差が得られます。音声帯域が広いSSBとしては無理がありますが、FT8であれば、通常、送受信周波数は別々ですので混信などなければ、いつも同じ周波数に固定していろんな周波数の局と交信ができます。

これは、単一周波数でよいということになりますので、このPSN回路で十分なものができるのでないかと思いました。そこで周波数から離れたところでサイドバンドがどれくらい抑圧できるのか知りたいのですがデータがなかったので調べてみました。

試作回路は、以下のようなものです。試作基板は短時間で作るためにルーターでカットしました。

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2.AF位相回路
最初に運用周波数を1kHzとしたときに90度の位相差を持たせる回路を確認します。信号源は、お手軽にパソコンからフリーソフトのWaveGeneを使ってサイン波を出力しました。

オシロスコープでリサージュ波形をみて確認してみたところ1100-1200Hzくらいで丸に近くなりました。
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3.RF信号
RFも90度の位相差が必要となります。これは、Si5351を使うとプログラムで作ることができるのでお手軽です。ハードは、RFワールドで頒布した発振器を使用しました。
スケッチは、実験なので5351のライブラリにあったsi5351_phaseを使いました。14.100MHzの固定周波数です。


4.測定
以下のような接続で1kHzは前述のとおりパソコンから入力しています。
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5.結果
少しAFレベルが低いようですが、LSBを作ったときのスペクトラムです。信号を逆につなぐとUSBを出すことができます。

一番サイドバンドの漏れが少ない周波数は1140Hzでした。このときに抑圧レベルは35dBくらいになりました。

また、真ん中がキャリア周波数の14.100MHzとなりますが45dBくらい抑圧できています。これをみると使えそうな感じですが、キャリア抑圧の調整が非常にクリチカルです。これだと温度や振動で簡単に変動しますので運用前に調整しないといけません。

<1140Hz>→最良点
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<840Hz>
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<1440Hz>
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最後に周波数とサイドバンド抑圧レベルの特性です。もう少し帯域が広ければよいのですが、帯域外スプリアス規定はクリアできていませんので、このまま使用するのは難しいようです。
data

6.帯域外領域のスプリアス規定からみたコメント
 帯域外領域のスプリアス規定は、HF帯の1W以上のSSBにおいて、占有帯域幅3kHzからプラマイ10kHzの範囲で-40dBという規定があります。測定は無変調で規定されているので、この方式でも音声帯域の高調波を押さえればSSBではまず問題ありません。しかし、FT8の場合は無変調の場合でも副搬送波が出るのでサイドバンド抑圧は、40dB以上(50MHz以上は60dB)とる必要があると考えられます。
 そのため、FT8ではこういう簡単な方式で帯域外スプリアス規定をクリアするのは非常に困難ということがわかりました。













RITはいらないと前に書きましたが、よく考えてみると、移動ではCQを出したり呼ばれる場面がありますので、追加することにしました。

しかし、表示も、8x2文字しかないので、なかなか大変です。

そういうことで、モード表示をスイッチポジションをパネルに書くことで、液晶表示を少し節約することにしました。

とりあえず、スイッチの右に文字を入れました。

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朝早く目覚めたら雨が降っていたので、移動は様子見になりました。

時間ができたので、CW運用でずっと欲しかった機能を追加しました。

これまで、自作機で約2万局、DXCCもほぼ330エンティティと交信しましたが、私のような弱小局の運用スタイルは、電信のワッチ主体でCQを出すことはほとんどありません。

したがって、RITは不要で、代わりにワッチしていて、相手局が指定してくる UP1とか、UP2にどれだけ速く対応できるかが大事とよく感じていました。

今回のトランシーバーは、そういうことで、スイッチを押すたびに送信周波数のみ1k,2k,3kと順番に変わる機能をプログラムしてみました。

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プログラムで追加変更した部分は、以下になります。誤操作を防止するために少し長めに押さないとスプリット対応モードにならないようになっております。

lcd.setCursor(6, 1);
lcd.print("U");
lcd.print(tup);

if (digitalRead(12) == LOW) {
delay(500);
if (digitalRead(12) == LOW) {
tup++;

if (tup > 3) {
tup = 0;
}
}
}


if (digitalRead(4) == HIGH) { //TX High

si5351.set_freq((vfo * SI5351_FREQ_MULT) + bfo + txd + (tup*100000ULL), SI5351_PLL_FIXED, SI5351_CLK1);
si5351.output_enable(SI5351_CLK2, 1);//BFO


}
else {
//lcd.setCursor(6, 1);
//lcd.print(" R");

si5351.set_freq((vfo * SI5351_FREQ_MULT) + bfo, SI5351_PLL_FIXED, SI5351_CLK1);
si5351.output_enable(SI5351_CLK2, 0);//BFO
}



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jt65で運用していると、送受の周波数がズレているのが画面で見てわかりました。

20hzくらいなのですが、交信するとこのようになります。

今回の無線機は送受で別の水晶フィルタを使っており、受信のキャリアは水晶発振、送信はPLLとなっており、プログラムで差分補正しているのですが…

新年早々、蓋を開けてキャリア周波数を測定すると、USBのキャリア周波数が少しずつ動くことがわかりました。

発振回路の定数を変える必要がありそうです。

しかし、SSBだとこういうのはほとんど気がつかないのですが、デジタルモードはシビアですね

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明けましておめでとうございます。

さて、無線機がなんとなくできましたので、いろいろ運用しながら、デバッグをして行きたいとおもいます。

まずは最近人気のJT65モードです。パソコンとの接続は、マイクと音声出力、それにPTT制御のみなので簡単です

今回、パソコンのUSBをシリアル変換器でオンオフ信号を作りました。

バンドは14メガ。昨夕方聞いてみるといっぱいでられてました。まずは中国の局をコールして難なく交信成立。続けてタイ、ロシア、オーストラリアとどんどんできました。

次に50メガを聴いてみると、50.276でjt65の信号が聴こえました。50メガは4エレですが、アンテナの調子が悪くてあまり交信できてないのですが、JR2HCBさんと交信できました。

また、JA3EGEさんの信号も見えてましたので、さすがデジタルモードは凄いと感心しました。

この、インタフェースでRTTYも本日試してみるつもりです

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