2024年10月

FM2号機が落ち着いたのですが、さすがに移動受信には大きいためもう少し小さくできないかと思うようになりました。空き缶も大きなものだと入手に難があるかも知れません。ビールなどのアルミ缶は半田付けが難しいのでスチールの缶コーヒーに目が留まりました。これならば、道端にも落ちていますので入手は簡単、早速実験してみました。

まず、最近ではすっかり使うことがなくなった缶切りで上部をカット。これは簡単にできました。切り口は怪我しないようにラジオペンチなどで整形しておきます。

同調回路は、銅パイプは使えないので直径1mmのエナメル線とFM用のポリバリコンを使いました。これではQは低くなりそうです。実際、簡単に測定したところ2号機はQ=180、今回は130程度でした。これで2号機と同じ回路で実験しましたが、さすがに感度が非常に悪く+5dBmがやっと聴こえる位でした。
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キャビティの共振周波数は、頒布しているTE2101アンテナアナライザーにリンクコイルを接続することで見ることができます。おおよそのQもグラフからみることができるので便利です。
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その後、コイルの直径が小さくなったために検波回路のレベルも下がったようで1回だった検波コイルを5回巻きにしてみたところ、大幅に感度があがりました。SGから弱い信号をいれてイヤフォンで聴きながらコイルの間隔などを調整したところ最終的には2号機と同レベルの-30dBmくらいまで聴こえるうようになりました。

早速、近所にあるいつもの受信ポイントに行って聴いてみたところ、前と同じくらい聴こえました。Qが低いので混信とか心配ですが。。。

十分使えそうなので、ラジオの円板ダイアルをバーニアに変更して選局しやすいようにしましたが、円板ダイアルでも十分選局可能ですので簡単に自作できると思います。

受信状況は以下のとおりです


また、スカイツリーから52km離れた高尾山に登って受信したものは以下となります





検波回路をその後も弄ってみましたがあまり改善はありませんでした。レシオ検波も歪が少なくてよかったのですが最終的に出力が大きいフォスターシーレー検波回路(下図。D1D2は1S1926P3、L3は27uH、C3,C4は0.047uF、R1,R2は15kΩ)として2号機の実験は終りとします。最後にまとめです



1.最終回路図
R



2.特性のまとめ

①検波特性 1kHz 75kHz変調 at Fc=88MHz
オシロスコープで検波出力の電圧をみながらSGで変調波の周波数を変えてレベルをプロットしました。Qもそれなりに取れているようで
綺麗なカーブが観測できました。
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②入力レベル vs 歪、S/N
SGから88MHzで1kHz 75kHz変調で入力してSGレベルを変化させたときの歪率THDとS/Nです。ダイオード出力ではレベルが低すぎて読めないためLM358 AF Amp.を通した値です。レベルが高いときにアンプで歪んでいるようなところもありますがこんなものかと。


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3.外観と実験中の内部写真(最終形ではありません)
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実験中の内部
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キャビティ特性
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4.本機の実用性について
本機の性能は、クリスタルイヤフォンで聴くとアンプなしで85dBμ程度、LM358ヘッドフォンアンプを使うと65dBμ程度まで聴こえます。屋外の移動受信でダイポールアンテナを使って電界強度を測定しながら数ポイントで実験してみたところ障害物や騒音がなければ半径25km距離内で無電源でクリスタルイヤフォンで聴くことができます。また、音声アンプを使えば40km以上でも聴こえるでしょう。これらを地図にプロットすると下図のようになります(内側25km、外側40km)。自宅で八木アンテナで受信すればさらに良好に受信可能です。

海外のFM鉱石ラジオでタワーの上の八木アンテナを使って多くのDX受信をされている方がどのくらいの性能の受信機を使われているのか分からなかったのですが、受信局の出力と距離から計算してみたところ本機とあまり変わらない性能とわかったのでよかったです。

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最後に受信テストの写真など貼っておきます。また受信機を来月11/10の電波文化祭で展示しますのでご覧頂ければ嬉しいです

新木場公園(距離8km。TFM,JFM,文化放送を受信)
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狭山公園(距離34km。TFM,JFM,NHK,Nack5を受信)
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野山北、六道公園(距離40km。JFM,NHKを受信)
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所沢市城山神社 (距離27km。JFMを受信)
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前回の記事で現在手持ちのダイオードの特性を比較してみました。その記事に書いた秋月で購入できるBAT43とXで教えてもらった1SS106を昨日BBQが終わり、次の飲み会への移動の途中で購入しました。

早速特性をみて先のグラフに追加してみました。

BAT43はデーターシートからもっと悪いと思っていましたが、実際はなかなかよいものでした。今使っている1S1926P3より低レベルは感度が悪いのですが立ち上がりが鋭いです。

また、1SS106は低電圧の感度が高いということだったのですが実際は1N60系のものより感度が悪い感じがしました。今使っているものよりも特性はよくなさそうなので、復調実験とかはしないでこれでおしまいとします。

あとは、海外勢が使っているD301を入手して特性を比較してみたいです

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先月のことですが、北陸新幹線で富山へ寄ってウォーキングでPOTA移動しました。富山、石川はPOTAの公共交通機関でまわれる対象公園が多くあり、出張や旅行のついでに多くのPOTAアクチベーションをすることが可能ですので参考になれば嬉しいです。

1.今回のルート
早朝の北陸新幹線で大宮から富山に移動して2日間で10か所のACTを行いました。関東、近畿で電車移動で一日に5か所回れるところは殆どACT完了したので久しぶりにウォーキングでPOTA早回りを楽しめました。

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2.初日 ①~④

①JP-1380 富岩運河環水公園
0653大宮から北陸新幹線「はくたか」で富山駅へ0908到着。到着して徒歩10分程度で行ける綺麗な公園です。あいにくの雨でしたが屋根付きのベンチがあったのでそこから運用。0932-0952

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②JP-1377 富山県岩瀬スポーツ公園
牛島新町駅から富山地方鉄道富山港線で蓮町下車して徒歩15分。トラムと呼ばれるかっこいい連結型の市電が1時間に4本運行されているので時間を気にせず移動ができます。ネットで検索したらSUICAが使えないということで小銭を準備していたのですが、9月末から使えるようになり便利です。

ここも屋根付きのベンチがありましたのでPOTANTにビニール袋を被せて運用しました。しかし、途中で雨風が強くなり嵐に。ベンチの中にも雨が吹き込んできたり、アンテナが倒れたりで大変な状態になりました。徒歩移動も難しかったので嵐が収まるまで待機となりました。運用1055-1217

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③JP-1376 富山県五福公園
トラムに乗って蓮町から富山大学前へ移動。大学の隣にある公園です。ここも屋根付きベンチがあり雨の中助かりました。富山は雪が多いからでしょうか殆どの公園に屋根付きベンチがありFBです。運用1340-1408

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④JP-2062 県庁前公園
富山大学前からトラムで移動できます。ここは、駐車場がないためOJMさんも富山でここだけは移動されていないという珍POTAでリクエストが多いところだったのでがんばって運用しました。市内にはレトロな市電車両も沢山走っており楽しめます。1441-1517 22局交信

富山→高岡→新高岡駅に鉄道で移動して宿泊。ここで高岡~新高岡間のJRは1時間に1本しかなく移動に不便で駅前にも店は殆どなかったので翌日も富山をまわるのであれば高岡で宿泊すればよかったです。

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3.2日目 ⑤~⑩
⑤JP-2063 富山新港臨海野鳥園
ホテルを7時過ぎに出てJRで高岡に戻り万葉線で海王丸駅まで移動。ここもトラムで快適に移動できます。車両は藤子不二雄の故郷ということでドラえもん列車でした。乗っていても楽しい電車です。万葉線は、『万葉集』の代表的歌人である大伴家持が国守として赴任してきたということから名づけられたそうです。野鳥園は、朝9時から開園なので開園と同時に入って観察小屋脇で運用しました。
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⑥JP-2076 海王丸パーク

野鳥園の隣にある公園です。航海練習船である帆船の海王丸が展示されています。0933-0955まで無線運用
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⑦JP-2067 富山新港元気の森公園
新湊大橋の東側にありGoogleマップでみると徒歩で1時間以上かかる表示だったので行く予定はなかったのですが新湊大橋のところに歩行者が使えるエレベーターがあり徒歩で渡れることが分かり、急遽予定追加。ただ、橋から公園までは徒歩20分位で結構歩きます。運用1043-1101

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橋からみた景色
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⑧JP-2066 開港記念碑緑地広場
橋を徒歩で戻り少し歩くと到着します。運用1134-1149、越ノ潟からトラムで中新湊駅まで移動
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⑨JP-1381 県民公園新港の森
中新湊駅から徒歩15分。雨上がりでものすごい蚊の攻撃にありましたので短時間で撤収。1226-1237

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⑩JP-2065 第一貯木場緑地広場
先の公園から徒歩で15分位で行けます。運用1252-1305IMG_3210


3.最後に
2日間で10か所と久しぶりに公共交通機関を使って効率よく回れました。あいにくのお天気でしたが富山は市内の移動がとても便利で公園も屋根付きベンチがあるので何とかなりました。次回はお天気の良いときに立山連峰がみにいってみたいです。
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今回のhQSL
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海外の鉱石ラジオマニアのネット記事をみていると改善ポイントとして、①検波ダイオード、②同調回路のQ、③高インピーダンスヘッドフォンなどがあり、みなさん苦労されていることが分かります。

海外の記事には各種のダイオード特性の比較などもあったので自分が使っているダイオードも同様に測定して改善の余地があるか調べてみました。

まず、今FM無電源ラジオで使っているダイオードは、JRC製の1S1926P3というもので20年位前にハムフェアで入手したものです。Vfが低いので頒布品ではQRPパワーメーターに使用しています。データーは簡単なものは、こちらでみることができます。Vfは、0.45Vで10mAとなかなかのものです。(参考までにAM検波などによく使われている1N60は10mAのときのVfは、0.8V程度です。データはこちら

海外の愛好家が使われていて特性がすぐ入れているのは、D310,D311,D312AなどでD310はなんと0.24Vで10mAとなっているので、自分のラジオもまだ改善の余地がありそうです。

今回、使っている1S1926P3と1N60同等品の1K60, 0A90、それに先日デジットで購入した低VfのPMEG3020ERについて測定してみました。測定は安物テスターなので誤差はそれなりにあると思いますが、同じ環境での測定なので比較データーとしては使えると思います。

測定結果を下図に示します。左から2番目が1S1926P3です。これをみるとデーターシートの値よりかなりよく0.3Vで10mAと海外勢が使っているD311などの低Vfダイオードと比較しても良い勝負です。実際に1N60とラジオで比較しても感度が全然違って10dB以上はよいと思います

ここで、デジットで購入したPMEG3020ERですが、恐ろしいほどの低Vf特性でびっくりしました。これが使えたらどんなにすごいことか。しかし、残念ながらキャパシタンスが170pFと大きすぎでFM受信機には使えません。試しに使ってみましたが予想通り感度は恐ろしく低く使い物にはなりません。次回、中波ラジオで再チャレンジしてみたいと思います

参考までに秋月電子で入手可能な中で使えそうなのがBAT43です。これは手持ちにないのですが、データーシートの値をプロットしてみました。1N60よりかなり良さそうです。

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