2023年10月

POTAで小型アンテナを実験しているうちに都内の公園から7MHz 0.5Wで2m長のロッドアンテナでもアクチベーションに必要な10局との交信はできることが分かりました。

人の多い都心の公園では可能な限り目立たないシステムが求められますので、片手に持って7メガを運用できるようなトランシーバーが実用になるのか試作してみることにしました。

無線機は、現用のWVU604F2の基板だけをそのまま移設することにして、アンテナマッチング回路とロッドアンテナを実装したケースを3Dプリンターで簡単に作ってみました。スマホは差し込み式にしています。

ちょっと大型ですが片手に持てるサイズになりました。ロッドアンテナは、いつも使っている2m物は片手に持つには大きすぎるので1.3mとしました。このサイズでは飛ばないだろうなと思いましたが、何事も実験です。

ここで、ハンディ機ですが、ラジアル線は接続できるようにします。ラジアル線なしではこれまでの実験で大きく感度が下がり交信の可能性は殆どありません。また、10m程度のワイヤでも公園などでも地面に這わしておけば目立たないので。。。

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完成後に2階のベランダで片手に持って7MHzでCQを出してみました。日曜日の夕方ということでバンドがかなり混雑していました。2mロッドであれば数回CQをだせば応答があるのですが、今回はまったくダメでした。
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応答がないので10MHzでも試したところJA9HWD局がコールしてくれましたが、こちらの電波が弱いよようで続きませんでした。その後、7MHzに戻ったところJA5CRC局からコール頂きました(これも続かず)

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結局、1局も交信はできず、飛びはかなり悪いように感じました。

その後、寒くなってきたので部屋に戻ってPSKRをみたところ、下図のように予想外に飛んでいます。これであれば、バンドが空いている平日の昼間などであれば交信できそうな感じがします。殆どラジアル線からの輻射のように感じますが希望は持てました。

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30m






今月初めにPOTA(公園移動。Parks On The Air)に登録して何か所か移動運用してみました。まだ初心者なのですが、プログラムが自分にあっていて面白いと思いましたので、個人的に感じたところを数点シェアさせて頂きます。まだまだ、楽しみ方はあると思いますが参考になれば嬉しいです。
 また、すばらしいプログラムを作って頂いた方々、そして日本の各種サポートメンバーの皆様には御礼を申し上げる次第です。


1.登録されている場所が多くちょっと空いている時間に楽しめる
まず、私はSOTA(山岳移動。Sumitt On The Air)もたまに楽しんでいたのですが、最近体力が落ちて低山ウォーキングが主体となったことから、東京近辺で自分で登れるSOTA対象(東京で36か所、離島も結構含んでいる)の山が殆どなくなってしまいました。

一方、POTAは、国や都道府県直轄の公園が対象となりますが、東京だけで146も登録されているので下図のように近所のウォーキングコースや電車の駅近くの公園なども含まれています(サイト地図)。毎週のように登っている高尾山もSOTAは対象外ですがPOTAは登録されています。

今月は、家族旅行で上高地に行った際に1時間程度別行動で河原で運用。また、都心にでる日の飲み会前に駅から徒歩で行ける浮間公園、晴海ふ頭公園などから運用することもできました。POTAを知っていなければ行くこともなかった公園ですが、素晴らしい景色を楽しみリフレッシュすることができました。ちょっと外出や旅行するときに登録ポイントを探して無線運用してみるということは楽しいものです。
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2.QSL交換やログアップロード不要でアワードが無料で集められる
POTAは、Activator(移動側)とHunter(呼ぶ側)の楽しみがそれぞれあります。Activatorは交信後にPOTAサイトにログのuploadは必要ですが、Hunterはログのuploadは不要です。すべての交信はActivatorログの情報で判断されることからHunterは何もしなくてもPOTA移動局との交信を増やしていけば、無料でアワードがもらえます。私がサイトにアカウント登録したときにすでにこれまで交信したPOTAの20局以上からログが上がっていたようで、こちらの交信ログをあげなくてもアワードがダウンロードできるようになっており、画期的でびっくりしました。(カード交換がないところはLOTWに似ているが、照合システムがないことやいろんなアワードが申請不要で無償で発行される点などが異なる)

個人的には、紙QSL交換は紙や人資源の無駄遣いや配送遅延もあり辞めてしまいました。POTAは、QSL交換という概念から離れて無料でアワードハンドまで楽しめるので、デジタル世代の若い方にもアマ無線を楽しんで頂けるのでないかと思います。

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3.公園にあった運用システムを考える楽しみ

何事も簡単にできてしまえばすぐに飽きてしまいます。公園移動は場所が沢山あり、訪れるだけでも楽しめると思いますが、アマチュア無線家なのでシステムを考えて工夫することは楽しみでもあります。

公園移動と言えば、まず、ベンチなどに座って運用することを思い浮かべることができます。お手軽なのではV/UHF FMハンディ―機による運用だと思いますが私はあまり好きではありません。そうなるとActivationに必要な10局交信するにはHFの7メガに出ることが必要ですが、アンテナが問題になります。

POTAをひと月やってみて思ったことは、7メガや10メガのFT8で2m程度のロッドアンテナと0.5W運用でもSPOTにあげると結構呼んできてくれます。これまでやってきたCWの移動ではかなり難しかったことも、FT8のおかげで可能性は広がったと思います。

そのため、人通りの多い公園からさらに目立たないアンテナでHF QRPで電波を飛ばすことを実験したり、アンテナの固定方法を考えることは技術テーマとしては面白いと感じています。








10/24(火) 夜に銀座で飲み会があったので、その前に晴海ふ頭公園(JA-2070)7MHz FT8の運用をしてきました。

晴海ふ頭公園へは、大江戸線の勝どきから徒歩で25分くらいで行けます。天気も良かったので都会のタワーマンションやレインボーブリッジを眺めながらウォーキングするのは気持ちが良いものです。

運用場所は、人通りが殆どない公園の花壇?の端にGAWANTモドキ2m長ロッドアンテナをスマホ用の三脚に載せてみました。この日は無風でよかったのですが、三脚が軽量すぎて風が強いと倒れそうな感じがします。この点はリュックを重石にできるように考えてみたいです。

ラジアル線は今回、花壇に10m長のワイヤーを地面の上に這わせました。VSWRは、2より下がりません。このアンテナにラジアル線をつける場合はなるべく地面から離して張るのがよいのですが、公園では目立たないこのスタイルになってしまいますね。立ち木などあれば引っ掛けて地面から少し離すだけで綺麗にVSWRは下がるのですが...

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そういう状態でしたが、7MHzをワッチすると沢山聴こえていましたのでWVU604F2でCQを出してみました。今回は、いつものようにスマホでなく屋外移動で初のパソコンでの運用です。

やはり、パソコンはいいですね。スマホだと私の環境の問題なのかFT8CNの動作がイマイチで、呼ばれてデコードしているのにCQを出したり、繰り返し同じメッセージを送出などのストレスがあるのですが、パソコンではそういうことはありません。短時間でサクサク交信が進みます。今回は1時間で33局と交信できたのですがスマホではおそらく10局も交信できなかったと思います。

そして、こちらの電波が弱いようでなかなか交信が進まない局が結構ありました。アンテナVSWRが悪かったのでいつもより飛びが悪かった感じがします。PSKRをみると電波は日本中に飛んでいたようですが、SNRをみるとほどんど-10~-24dB程度です。こちらの受信は殆どが+で入っているのですが。。。
パソコンなのでこちらの電波が混信で潰されている感じのときは、交信中でもDFを変えたりと技が使えるので何局かはそれで交信完了までできました。

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夕陽とレインボーブリッジ、綺麗でした。
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hQSLは、水産庁のお船をバックにしたものを作って発行済です。今回、23/33局(70%)がhQSL対応局でした。
QSL_晴海ふ頭公園


紅葉シーズンになりましたね。

10/22(日)。冷え込んできましたがお天気もよさそうなので前から行ってみたかった上高地トレッキング&自作無線機での移動運用をしてきました。

朝4時に東京の自宅を出て中央道で松本ICから約1時間で上高地のバス乗り場に07:30に到着。上高地は環境保護のため自家用車ではいけないので、駐車場に止めてバスかタクシーに乗り換えます。この時間でもバスは長蛇の列で時間ロスを避けたかったので迷わずタクシーに乗り込みました。トレッキングスタートの大正池までタクシーで4k円、バスでも一人1kなので今回は家族4人で行ったので金額は変わりませんでした

前日は雨、雪も夜に降ったようで山々は真っ白になって、お天気も雲一つない快晴でした。気温は0度近かったので氷も張っていましたが気持ちよく河童橋まで雪山や自然を楽しみながら1時間程度トレッキング。最高ですね。

<大正池からみた穂高連峰>
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<お猿さんも冬景色を楽しむ>
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<河童橋と穂高連峰>
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河童橋から妻と子供たちはさらに明神池までトレッキング、私は河原で無線を楽しみました。

今回の設備ですが、無線機はいつものWVU-204F2試作機(充電式0.5W出力)、アンテナは最近使っているロッドアンテナにしたかったのですが、おそらく河原での運用になると想定して前に巾着田の河原で実績のある6m長のカーボン釣竿アンテナとしました。

アンテナは、写真のように基部に絶縁アダプタをつけてずれないように地面に差し込み、木に立て掛けるだけです。カーボン釣竿は軽いので通常はこれで十分ですが、この日は運用後に風が強くなってきたので、少し傾けて自転車の荷物用のゴム紐で1本ステーをとりました。準備は5分、撤去は1分で完了できます(笑)

<アンテナの建て方>
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無線機類は、カーボン釣竿の下部にあります。
setubi

早速、7MHzのFT8を運用します。ここの周りは山で囲まれていて河原とはいえあまりロケはよくないので電波は飛ばないのではないかと思いましたが、日曜の午前中ということもあり、隙間がないくらい受信できていました。

しかし、逆に小電力の場合は、これくらいバンドが混みあっていると空き周波数を見つけてでてみても数局交信するうちに潰されてしまい、POTAのアクチベーションに必要な10局との交信はなかなかできません。

gamen


そこで混雑対策として今回試したかったのは、10MHzです。これまで相手が殆どいなくて交信できなかった10MHzをもう少し飛ぶようにできないかと考えてみました。最近のロッドアンテナの実験からラジアル長は1/4波長くらいが一番よいことが分かったので10mのラジアル線を7mの長さのところで切り離せるように準備してきました。

今回の運用で、その効果は実証されたように思います。今まで飛ばなかった10MHzでも結構交信ができました。7MHZは7局、10MHzは15局と局を伸ばすことができました。10Wくらい出せば30分もあれば終わってしまう局数ですが、0.5Wでもなんとかこれくらいできるようです(2時間くらいかかりましたが...)

最後に今回のPSKRです。14MHzも国内によく飛んでいたようでPOTAのspotにあげてみましたが全く応答がありませんでした。国際バンドという感じですね。当面、ハイバンドもDXバンドになっているので国内POTAのHF移動運用は、7と10MHzに限定してもよさそうな感じです。


●7MHz
40m




●10MHz 出られている局数は少ないようですが、今回結構飛んでいて韓国からも呼ばれたりしました。休日の混在対策としての退避バンドとしては良さそうです
30m


●14MHz DX向けのワッチ局が沢山おられるのですが、呼んではくれませんね(笑)
20m


最後に今回のPOTAのログはupload済、hQSLも発送済となっています
QSL_上高地


最近POTA の7MHz移動で使っている長さ2mのロッドアンテナと長さ6mのカーボン釣竿アンテナの受信比較動画を作成しました。

よろしければご覧ください。

 

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