2021年08月

送信スプリアスも規格に入っているので早速免許の変更申請を行います。

これまでにも、Si5351を使った送信機でいろいろと免許を受けているので、この系統図にスプリアスデータをつければ、おそらく大丈夫と思います。

あわせて、前にTSSにダメだしを受けて断念した現行送信機の1.9MHz帯のFT8を追加しようかと(笑)
免許申請WQ-201 CW transceiver


CWポケトラを使ってHF-50MHzに出る場合のLPFを試作。

3Dプリンターでケースも作ったので見栄えも少しはよくなりました。
IMG_9217

3.5,7,50MHzはバンド専用、他は2バンドで共用しようと設計しました。

以下は、nano VNAで測定したデータです。それぞれ3段のLPFとなります。
各マーカは、カットオフ、2倍、3倍を示します。

カットオフ周波数での挿入損失が1dB以下になるように調整しました。特に2バンド共用のものは高調波を減衰させるためにカットオフ周波数ギリギリのところを狙っています。

●3.5MHz
3.5MHz
IMG_9191


●7MHz
7MHz
IMG_9188



●10/14MHz
14MHz
IMG_9187
IMG_9185



●18 / 21MHz
21MHz

IMG_9184
IMG_9183


●24 / 28 MHz
28MHz
IMG_9180
IMG_9179


●50MHz

50MHz
IMG_E9168



144MHz

IMG_9176

コロナで移動局が減る中で、関東は台風接近と最悪のコンテストとなってしまいました。

今、HFから144までのCWトランシーバーを企画、設計していることもあり、自宅から10mWでどれくらい交信できるか試してみました。

トランシーバーは自作機、スペアナでみて各バンド10-20mWくらいになるように設定、自宅アンテナは以下のようなものを使いました。モードはCWのみ。

なお、自宅は東京郊外で、ロケは低地でよくありません(笑)

●3.5MHz、7MHz: フルサイズスローパー(台風接近のためタワーをクランクダウンしているのでエレメントも一部が屋根の上)
●14,21,28MHz:短縮ロータリダイポール(14は使えるが21と28はSWR3以上あり)
●50MHz:6エレ
●144MHz:2FベランダのJ型アンテナ(垂直ダイポールと同等)




8/7(土) 21:00コンテスト開始。最初はアンテナがまともな50MHzから。台風接近ということもあり移動局は少ないです。それでも静岡、福島、その他距離100kmくらいある移動局と交信できました。

そのあと144MHz、ベランダホイップということもあり、ほとんど聞こえませんが数局と交信できました。HFは28から下の方に下がっていきましたが、聞こえる局は弱くて呼べる感じではありません。

3.5MHzは、結構聴こえていましたがが交信できず


8/8(日) 朝8時過ぎからワッチ開始。昨日できなかった21,7MHzで数局交信。7MHzは混信が多いと思いますが、意外に応答がありました。そのあと14MHzは関西が強く入っており、1局交信。

そのあと21,28で近くの移動局と交信。最後に、21で九州まで届いたので終わりにしました。

下に交信できた局のリストを示します。10mWという出力は、乾電池でトランジスタ1石の発振器を作ったときの出力と同じくらいです。40年くらい前は、このくらいの出力では殆ど交信はできなかったのですが、無線機の性能がかなり向上していることもあり、今では結構楽しめます。

とはいえ、殆どの場合、普通にコールしても応答はありません。フィールドデーコンテストの場合は最大出力が50Wなので、こちらとの電力レベル差は40dB程度ですので、59プラスで入っていれば応答はあるはずです。オンフレで何度も呼んで応答がないときでも、周波数を100Hzずらして呼ぶと応答があったりするので面白いです。

10mWという出力は、出力が小さすぎるというイメージを持たれる方が殆どと思いますが、実際のところ100mWとSメータでは3つくらいしか差はありませんので結構楽しめます。

IMG_E9213


試作で改良点がわかってきたので、基板を設計、発注しました。

この5x5cm基板の設計もかなりの回数となりますが、少しずつ良くなっているように思います。

今回のポケトラの最大の特長は、簡単な外付けアダプターを追加することで144だけでなく50やHFマルチバンドのQRP CWトランシーバーとして使えるということです。

50mW程度のQRPなのでなかなか交信機会はありませんが、その点を多くのバンドに出れることでカバーしようとしています。


FullSizeRender



今回の回路とプリント基板パターン設計での主な改良点は以下のとおりです。

 

①受信時にアンプとミキサの電源供給をArduinoから行う。


②5351のクロックは、27MHz(スプリアス対策)とする


③送信はclk2、DSPはclk0(スプリアス対策)


④FM受信あり、AM放送は将来なくなるので削除


⑤ゼネカバ対応を考慮して周波数ステップに1MHzとかを追加する


⑥その他、回路と基板の変更項目

LPFのアースパータン強化

ー受信アンプ追加(局発漏れと感度不足対策)

ー送信アンプ入力抵抗を18→51Ωに変更(近接スプリアス対策)

ー水晶フィルタを4→3段に、そして帯域を少し広くする(基板スペース確保)

ーフィルタとDSP間を最短配線(ノイズ対策)

ーフィルタ入力インピーダンスを下げるために抵抗追加(ノイズ対策)


FullSizeRender





2mは和文を中心にCW愛好家が多いようで、頒布希望もありましたので、144MHz CWトランシーバー WQ-201をJE3QDZさんと共同で開発してます。

基板は、とりあえず7メガトランシーバー用を使って試作してみました。
IMG_9118



LPFは、流石にこのくらいの周波数になるとうまく働かないので3段でカットオフ周波数を150メガくらいで組むと3倍で20dBくらいしか減衰しない全然使えないレベルでした。写真は0-500MHz
FullSizeRender


そこで、今回は発想を転換してカットオフ周波数を高めに設定して2倍と3倍をノッチで落とす回路でLPFを設計してみました。同時にアースパターンを銅板で強化しています。

まずは、3倍の430メガ付近が落ちるようにローパスを設計。カットオフは300メガくらいにすると3倍波は60dBくらい落とせました。
FullSizeRender

この状態で送信スペクトラムをみると2倍波のレベルが少し高いようです。
FullSizeRender

そこで、さらに2倍波のノッチを追加。6pFをLPFコイルとパラに接続します。これで2倍、3倍とも40dBくらい減衰できました。

送信出力は、50mWなのでこれで問題ないレベルとなります。
FullSizeRender


あと、問題点としては、送信時に6メガくらい離れたところにスプリアスが出ます。

レベル的には、規格ギリギリセーフというところですが150メガあたりは業務局が多いので下げておきたいところです。

これは、5351のPLLの特性上出てしまうものなのか調査中です。
FullSizeRender


また、CWフィルターは、前より幅を広げて600Hzくらいにしています。

個人的にはもっと広い方が良いと思うのですが、QRPで呼ぶ方の立場では相手周波数に近いところで呼ぶ必要がありますのでメリットはあります。


IMG_9080



↑このページのトップヘ