多くの方が購入されている格安スペアナ。最初に届いたのは、クローン品でした。

セルフテストも通らず、スプリアスも酷い。しかもレベルが校正できずめちゃくちゃでした。
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仕方がないので、調べていきます。もう一台、安心サイトから正規品も購入して比較して調べます。

写真の上が正規品、下がクローンです。クローンはシールドもなく、セルフテストを見るとフィルターが不良がでます。

比較しながら基板の部品をみるとクローンにはフィルターでなくレゾネーター部品が搭載されていることが判明しました。

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オリジナルで使われている部品のSAWフィルターの型名を検索すると433メガのものでした。これは、車のリモコン🔑などに使われている量産品であることもわかりました。

早速、使えそうで安いものを探してみました。2個必要なのですが、通販でバラ売りがなかったため、なんと10個も購入。

特性もオリジナル品より帯域が広いものしか見つからず、しかも3k円近くもしました😅

ここまで、投資して治る保証もないのにやる価値があるのかと思いましたが、何事も勉強です。いろいろ調べているとこのスペアナにかなり詳しくなりましたので、直してみたくなりました。

部品、到着です。
早速、ヒートガンで部品を外しますが、周りの小さい部品も外れてしまい、大変でした😅

写真の銅板シールドは自分で追加したものです。スプリアスはシールドが原因かと思いましたが追加してもあまり変わりませんでした。

正規品のシールドを外してもスプリアスは増えないので、あまり気にすることはありません。

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さて、交換完了。セルフチェックをすると、まだfailedがでます。フィルター特性を見るとリプルがやたらにでかい。しかも損失が正規品より12dBくらいあります。

下が交換したフィルター特性、上が正規品です。波形を見るとマッチングが取れていないことがわかります。




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ここで、周辺部品のマッチングCLを変えて合わせたいところでしたが、部品が小さすぎて手持ちにないことと、ハンダゴテが入らないので諦めました。

ただ、Cを外すとレベルが少し上がり損失が10dBくらいに改善しましたので、セルフテストはレベル異常はでますが、通るようになりました。

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ここまで来ると、レベル校正機能が動作しますので、キャリブレーションをかけるとまともにレベルが見れるようになり、スプリアスも無くなりました😊

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ただ、損失が10dB増えたことで、スペアナ自身のダイナミックレンジは10dB狭くなりましたが、モニターレベルなので特に問題はありません。

また、ハイバンドはもともとフィルターを通過しない構成なので正規品と変わらない動作です。

ちなみに、これは不具合ということで、半額返金してもらいました。


また、追加しておくと正規品も電源投入後、数分で画面が白くなる初期不良品でした。今年の運勢は、本当に悪そうです😅

これは、全額返金されました。
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ついでにこれも修理にトライしました。最初は液晶不良かと思いましたが、tiny saは半田付け不良が多いという情報がありましたので、STM32の脚を拡大鏡で調べたら、怪しそうな部分があったので追加で半田付けしました。

結果として、治ったようで問題なく動作しています😊

中華格安品は、こういう不良は当たり前といういう気持ちでいないと病気になりそうです😅

しかし、すごく勉強になりますよ。ホント