2022年02月

BPFが予定通りの特性が得られたので、次にRFアンプ、ミキサーなどダウンコンバーターの確認です。

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●RFアンプは、RFワールドの頒布基板で使用したBA420を使用しています。

DC3.3Vで単体特性をネットアナで周波数特性をみると、145MHzで利得が18dB、435MHzで16dBでした。下図のデータシートとほぼ一致しております。

また、衛星通信では強い信号は入ってこないという認識からRF AGCは考慮していません。BGA420でも入力にバイアスをかけることで20dB程度の利得調整はできると思いますが。

bga420


●ミキサーは、3.3Vの低い電圧で使用できるという理由からNJM2288を使用しました。
このICは、ローカル入力のアンプが入っているので-15dBm程度のレベルで動作します。今回の435MHzの様にSi5351の高調波をローカル信号に使用する場合、DBMではドライブできないことが多いので好都合です。しかしながら、使用周波数がUHF用となっており、OIP特性などはあまりよくなく、HF帯など強い信号がひしめくような用途では適していません。

変換利得は、データーシートでは9dBということですが、試作回路ではBGA420の出力インピーダンス50Ωでそのまま接続しています。その場合の利得は-2dB程度となります。

今回の回路で、実際に入力フィルター、RFアンプを含めた変換利得を、SG信号を使ってミキサ出力をスペアナで測定してみたところ、145MHzは15.5dB、435MHzは11.7dBとなりました。

入力フィルターのロスを含めると435MHzでは少し利得が低いかも知れません。一応、感度不足の場合の対策として、ミキサー回路の入力マッチングを考慮してデーターシートのスミスチャートから入力インピーダンスを求めておきます。データシート記載の実験回路データを入れると以下のようにマッチングがとれることがわかります。

njm2288マッチング435MHz



また、145MHzではどうなるかということも一応準備。NJM2288の入力インピーダンスは結構高くなりますが、以下の様にミキサ入力に並列140nHと直列6pFくらいでいけそうです。

njm2288マッチング145MHz







あまり出来栄えはよくないのですが基板もできたので、まずはBPFを製作しました。

無線の送受信機を組み立てるときに大切なのは、一度に組み立てないで部分ごとに組み立てて、必ず動作を確認(測定)するということです。これにより各部の性能を把握でき不具合対策が容易になります。

今回製作したBPFです。写真の上が145MHz、下が435MHz用となります。

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特性は、以下のようになりました。損失が3~4dBと大きいのですが、減衰特性は予定通りお互いのバンドに対して50dB程度確保できました。セットとしてまとめて妨害がある場合は、銅板でシールドを追加します。

●145MHz(写真の横軸は0-1GHz)
145MHzは手持ちのジャンクのコアでインダクタンスは0.2μH程度,結合コンデンサは1pF。

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●435MHz(写真の横軸は0-1GHz)
直径4.4ミリの精密ドライバーに直径0.7ミリのスズメッキ線を4回巻いたものです。トリマは8pF, 結合コンデンサは5mm程度のワイヤです。

430MHzバンドの製作は、コイル巻きが超簡単です。こういうラフな作りでも綺麗なBPF特性が得られます。また、トリマを回転させると300-600MHz程度、中心周波数を可変できました。測定器や高性能の半導体が安価で入手できる現在、UHF帯の自作は容易なので皆さんもチャレンジしてみましょう。

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前回、自作のWQ1トランシーバーで145MHzの衛星を受信できたので、同じような構成のDual bandの衛星通信用の簡易レシーバーを作ってみます。

まずは、受信部ですが、最初に入力BPF、RFアンプ、ミキサーまでの回路を作って実験してみようかと。

デバイスはSMDなので基板をどうして作るか…
今回は1枚あればよく、中華の基板屋さんに発注するほどでもないのでアセトン方式で作ってみることにします。

とりあえず、回路図はこんな感じ。ミキサーまでは2バンド独立でミキサーのあとでRF切り替えスイッチで選択します。

うるさいOMさんに言わせるとトップに損失が大きそうなフィルターが入るのでV、UHFとしてはNF上、よくないなーとなると思います。

しかしながら、これまで自作トランシーバーでサテライト交信が失敗に終わっているのは、送信の回り込みでした。とにかく受信中に同時に別バンドの電波を近接するアンテナから送信しているので十分減衰させておきたいという想いがあります。あくまでも試作回路ということで(笑)

サテライト通信は、145-435MHzの送受信を同時に行うので、①入力フィルターをどのくらいのものを作ればよいか、②シールド対策などを試作基板で実験してみたいと思います。

受信信号は弱いのでRF AGCは、なくてもよいかなと考えています。
kairo


基板は、シールド対策ができるように少し大きめに設計しました。
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久しぶりにアセトン方式で作りました。薄いところはマジックで修正して割とうまくできたのですが、エッチングしているのを忘れて買い物に外出してしまい、少し溶けすぎてしまいました(笑)

RWGD9069

上手く動くでしょうか。。。続く



一昨年からトライしているサテライト通信ですが、小型のトランシーバが作れないかと検討しています。

まずは、昨年作った1.8-144メガのQRPトランシーバでどのくらい受信できるか試してみました。

WQ1は受信機としての感度は144メガで-110dBmのキャリアが聴こえる程度でQRPトランシーバとしては十分です。

しかし、RFワールドの頒布基板の受信アンプを前段に入れるとさらに高感度になり、-127dBmのキャリアも結構明瞭に受信できるくらいまでになりました。
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アンテナは、前に作った園芸パイプの145メガ3エレが錆びてボロボロになっていたので、とりあえず受信のためにベランダにホイップアンテナを設置。釣竿にエレメントを這わせただけのものです。
FullSizeRender

受信機は高感度ですが、近所のソーラー電源のノイズと内部のマイコンノイズなどいろんな信号を受信しています。

しかし、ビーコンは受信できましたので、この回路を使って試作してみようと考えています。


https://twitter.com/7l4wvu/status/1492260953005514755?s=21

次は、145メガの八木をアルミパイプで作ってみます

時代の流れでいよいよ紙QSL交換を終了できるかというテーマで、先月の交信局に対してどのくらい電子QSLで受け取れるのか調べてみました。

結果を最初に書きますが、驚くほど電子化が進んでおりました。個人的にはJARL会員でありますが、今夏くらいからQSLは電子対応のみとする予定です。

また、JARLが電子QSLシステムを新たに作るべき等の意見もいまだにみられますが、個人的には、現時点で新しいシステムを作っても費用がかかるだけでメリットがないので、あるものを使っていけばよいと考えます。

1.QSOサンプル数
2022年の1月に交信した以下の1,040局です(新年QSOパーティやコンテストは含みません)。運用バンド、モードは今、もっとも皆さんがアクティブにでられているところを選んでいます。モードはすべてFT8です。また、極力、バンドが異なっても重複交信がないようにしました。

jan


2.電子QSL受領結果
先の1月の交信局に対して、1週間後の2/6時点で受領した電子QSLの局数を調べました。電子QSLの場合は基本的に交信後数日以内に送ってこられることが大部分のようですが、これから遅れて受領する分もあるので実際はもう少し数字が上がると思います。

結果をまとめたものが以下の表となります。気が付いた点は、

国内局が8割近く、海外局も7割近くが電子QSLに対応していた。パソコンを使われるFT8だからともいえるが想像より普及している。特に海外局はこれまでの紙カードの返信率が5割程度だったので、それよりかなり高い。これだけみると紙QSL交換の時代は終わったと感じる。

②国内局については意外にeQSLが6割と普及している。最近増加しているハムログのhQSLは4割程度であったが、国内交信局858局のうちハムログユーザー数は683局(79%)であったことから今後さらに増加することが予想される。

③電子QSLの海外メジャーのeQSLとLOTWの使用度については、国内局はeQSL>LOTWだが、海外局は逆であった。国内局は国内交信専門の方が多いのでLOTWは普及しておらず、従来のデザインQSL収集ができるeQSLが人気があるようだ。
matome


3.最後に
今回は、あくまでも個人的に電子QSLがどのくらい使われているのか調べたものです。モードや周波数が異なれば、この比率も下がると思いますので、参考程度にみて頂ければと思います。

また、複数の電子QSLシステムが共存していますが、最初に設定してしまえば、面倒でもないのでこのまま複数のシステムを並行して使っていこうと思います。

紙QSL交換がなくなるとエコになりますし、部屋も片付く、そして費用も抑えられるので良いことづくめです。








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