試作しているCW送信機の出力ですが、どうも低い周波数が出てくれません。
出力トランスが144MHzまで対応させるために低域の出力低下は仕方がないのですが、それにしても低すぎます。

そういうことでRF切替に使っているIC AS169について調べてみました。

このICは仕様をみると通過電力30 dBm、Low insertion loss (0.4dB max, 300kHz-1GHz)となっておりQRPトランシーバに適したものとなっています。

信号は、SGを使いました(5351とは異なり高調波が少ないSin波です)

下に1.8MHzでの結果を添付しますが、0dBm程度であれば殆ど損失はありません。
しかし、5dBmあたりから急に歪が発生して出力低下が生じることが分かりました。


AS169通過レベル特性


また、これは低い周波数ほど顕著のようです。下図は、周波数毎にレベルを変えたときのデータとなります。SG出力が最大15dBmなので、それ以上はみていませんが、レベルを上げるに従い、低い周波数の損失が増えることが分かります。
AS169通過レベルF特性


さて、これで今回の送信部の出力特性を測定すると次の緑線のようになりました。
紺色の線は、申請に使用する自作LPFフィルター通過後の出力となります。

5351の送信機だと奇数波スプリアスが高いので2倍波はあまり気にしなくてよかったのですが、スイッチでのひずみにより2倍波も高いレベルとなりました。

そのため自作フィルターは、2倍波を落とすためのノッチを入れたものもあります。

最終的に10MHz以上で100mWは狙えそうな感じです。
送信出力